東北医科薬科大学 整形外科学教室

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整形外科の診療方針と特徴

1.専門性の高い医療(脊椎外科・関節外科)

平成28(2016)年4月より、従来の関節疾患の治療に加えて脊椎疾患(背骨の病気)の治療を開始しました。また当院の整形外科は前身である東北厚生年金病院・東北薬科大学病院の時代からはじまり、長年にわたり地域の整形外科医療を支えてきました。脊椎疾患に関しては、腰部脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニアなどの頻度が多い疾患のみならず、難治性とされる脊椎脊髄腫瘍、成人脊柱変形など一般の病院では治療が難しい病気の治療を行っています。また当科では関節リウマチを含めた様々な関節手術を数多く行っており、人工関節置換術に関しては国内でも有数の施設です。更に近年は股関節や膝関節に加えて、手、足の関節の診療の専門性を充実させています。

2.集学的な治療

整形外科の患者の高齢化が進み、患者は多くの併存病を持っています。手術、周術期の管理にあたり、他科の協力がますます必要になっています。当院には多くの科においてエキスパートの専門医が揃っています。他科と協力して、様々な合併症を持つ患者さんが適切なタイミングで安全な手術を受けられるようにします。

主な対象疾患

頚髄症、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、背骨の変形、脊椎・脊髄腫瘍などの脊椎の病気、下肢関節(股・膝・足関節)の変形性関節症、関節リウマチなどの関節の病気の手術を行っています。

特に当科では、成人の脊柱変形(いわゆる腰曲がり)の治療に力を入れています。年齢を重ね自然に腰が曲がったり、骨粗鬆症により脊椎圧迫骨折が生じて腰が曲がることがあります。そのために立っていることや歩くことができなくなることがあります。当科ではそのような患者さんに、新しいタイプの装具を作製して、より安全で治療効果の高い手術をすることで、満足度の高い診療を行っています。

 

脊椎手術(せぼねの手術)では、内視鏡やキズが小さい手技などをできるだけ使用して患者さんの負担の軽減につとめています。

 

手術実績

令和2年(2020年)

手術 症例数
脊椎 123例
上肢・手 11例
下肢 135例
外傷 145例
リウマチ 26例
スポーツ 7例
小児 3例
腫瘍 18例
合計 468例

教育方針

臨床に役立つ人材を育てるという点に重きを置きます。卒前教育、臨床研修では整形外科のプライマリーケアに関する知識と基礎的技術を身につけることが重要です。創傷、捻挫、骨折の初期治療法はプライマリーケアを行う上で重要な技術であり、研修の間に身につけてもらいます。さらに、麻痺の診察、腰痛、関節痛の初歩的な治療法についても理解してもらえるようにします。講義、臨床修練の卒前教育と臨床研修をつなげた一貫した教育で整形外科のプライマリーケアを身につけられるようにします。

研究実績

当科における研究は、脊椎疾患の病態の解明と治療、人工関節置換術に関する臨床的研究を主なテーマにしています。

(1) 急性および慢性圧迫による脊髄障害

東北大学工学部との共同研究により脊髄灰白質、白質、軟膜の弾性率などの力学特性を世界で初めて計測しました。これにより脊髄圧迫の有限要素法モデルを作成し、脊髄内部の応力の変化を調べ、応力が組織障害と相関することを証明しました。さらに頚髄症患者のMRI像より髄内の応力を計算し、この値が症状発現に大きく影響していることを証明しました。

(2) 中高齢者の脊柱変形の病態の解明と治療法の開発

中高齢脊柱変形患者における脊柱アライメント、歩行障害の原因について調べ、新しい理学療法、保存療法を開発しています。

(3) 脊髄腫瘍の診断と治療

MRIを用いた脊髄腫瘍の組織診断法、脊髄砂時計腫の手術法について臨床研究を行っています。

(4) 人工関節手術の臨床研究

豊富な人工股関節、膝関節置換術の症例をもとに、impact bone graft法の開発、長期成績について検討しています。

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